インプラントは近年ますます知名度が上がり、治療の選択肢として選ぶ人も増えきました。ですがむし歯治療とは違って、外科手術であるインプラント治療を決断するのは、勇気がいることですよね。
「インプラントにしたら、そのあとは本当に何でも食べられるようになるの?」
「硬いものや歯にくっつくものなど…気を付けた方が良い食べ物ってあるの?」
「手術のあと、お酒はいつから飲んでも大丈夫?」
などなど…インプラントにした後のお食事事情が気になる方も多いと思います。
結論から言うと、術後の状態などによって個人差はありますが、およそ半年ほどで固いものも含めて一般的な食事を摂ることが可能になります。ですがそのためには、術後の過ごし方が非常に重要です。インプラントを迷っている方、治療を終えたばかりの方にとって、少しでも今回のお話が参考になれば幸いです。
目次
1.インプラントを入れたあとすぐに、何でも食べられるわけではない
インプラントでは、ご自身の歯と変わらないように咀嚼し、食事ができるようになります。入れ歯ではなかなか噛み切りにくい固いパンやお肉、くっついてしまうお餅なども食べられるようになり、家族や友人と同じ食事を楽しめるようになるのは、インプラントの大きなメリットです。
ただ、固すぎるものを噛むとまれに歯が欠けることがあるように、インプラントにも同じことが言えます。固焼き煎餅や固い氷をガリガリ嚙み砕いたり、うっかり梅干しの種を噛んでしまったりしないように注意してください。ご自身の歯で普通に食べられるものであれば、インプラントでも問題ありません。
但し、気を付けていただきたいことがあります。『インプラント治療後、すぐに何でも食べられるわけではない』ということです。今までなかった歯が急に入ったわけです。咬み方、咬む力など筋肉の衰えも含めて、完全に元の健康な状態に戻るまでには時間がかかります。
それでは、手術のあとどれくらいの期間をかけて、どのように食生活を戻していったら良いのかをお話します。
2.インプラントを入れたあとの食事例
①手術当日から2~3日間
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- ・雑炊、おかゆ
- ・スープ類(熱すぎないもの)
- ・柔らかめのうどん、そうめん
- ・ゼリー状栄養飲料
- ・ヨーグルト
- ※手術した歯の反対側で食べる
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- ・熱いスープ、グラタンなど
- ・氷
- ・フランスパン(固いもの全般)
- ・辛い料理
- ・梅、レモンなど酸っぱいもの
- ・お餅、ガム、キャラメル類
- ・アルコール、炭酸飲料
インプラント手術のすぐあとは注意が必要です。
上記のようなあまり噛まずに食べられるものだと安心です。手術した歯と反対側の歯を使い、傷口に食べ物が触れないようにしましょう。熱すぎる、冷たすぎる食べ物飲み物は避けていただく方が良いです。傷口の出血や腫れ、痛みの原因になってしまう可能性があるため、辛い料理や香辛料を使った刺激物、甘いものや酸味の強いものも控えてください。
手術直後の注意点はインプラント手術後の腫れで詳しくお話ししていますので、ぜひ参考にしてみてください。
②手術後~3ヵ月
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- ・うどんなどから少しずつ普段の食事へ移行する
- ・フランスパンなど固いものは、スープにひたしてから食べるのもオススメ!
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- ・おせんべい、飴など固いもの
- ・イカ、タコなど噛み応えのあるもの
- ・お餅、ガムなどくっつくもの
- ・スルメ
この時期はまだインプラントに負担をかけないよう、うどんなどの柔らかい食べ物から、少しずつ通常の食生活へ切り替えていきます。ある日を境に突然食事制限がなくなるわけではなく、健康の歯だった頃の生活に徐々に慣らしていくことがポイントです。手術した歯で、好物だからと言って突然おせんべいを食べたり、スルメを噛んだり、ガムなど粘着性のあるものを食べてしまうことは好ましくありません。
不便な生活が長く続くと「早くいろんなものが食べたい!」と思わずにはいられないと思います。ミキサーやジューサーを使ったり、手術前と同じメニューも柔らかめから徐々に通常の形態に戻していける時期なので、レパートリーを増やしながらストレスを緩和して過ごしたいですね。
この期間大切にインプラントを守ってあげることで、3ヵ月後以降は通常の食生活に戻せるので、あと少しです。
③手術当日から3ヵ月以降
一般的には、およそ3ヶ月経過すると手術で埋入したインプラントの土台が定着します。そうなると、固いものも他の歯と変わらないように噛めるようになります。入れ歯とは異なり、インプラントでは歯茎で食べ物の食感を感じられるため、食事の楽しみを取り戻せたと感動する患者さんが多くいらっしゃいます。
それまでは注意する食べ物が多く、少し厳しく感じてしまうかもしれませんが、早く健康なお口の状態になるための1番の近道ですので、このような段階的なお食事を心がけてみてください。
3.インプラント手術後の飲酒
- ・腫れやすく、炎症や出血しやすくなる
- ・傷の治りが遅くなる可能性がある
- ・痛み止めや抗生剤など薬との併用はNG!
インプラント手術の後1~2週間が経過したら、軽めであればお酒を飲めるようになりますが、傷口やお口の状態によって異なるため、一概には言えません。アルコールは血流を活発化させ、出血しやすくなったり傷の回復を遅らせてしまう可能性があります。また鎮痛薬や感染予防の抗生剤を服用することになるので、薬とアルコールの併用は良くありません。
しばらく飲酒は控え、担当の医師に確認しましょう。
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今回は、インプラントを入れたあとの食事についてお伝えしました。一般的なケースでのお話のため、患者さんのお口の状態や治療した箇所等によって状況は異なります。かかりつけの先生と相談しながら、無理なく食事の段階を進めてください。
術後は何かと不便を感じるかもしれませんが、その後は再び噛む喜びを取り戻すことができるインプラント。食べることと生きることは直結しています。患者さんが楽しく健康に食事を摂り、より豊かな人生を送れるよう、プラザ若葉歯科は日々診療を行っています。
梅のつぼみもほころび始め、寒さの中にも少しずつ春の足音が近づいているのを感じます。皆さんが笑顔溢れる春を迎えられますように。