インプラント治療のリスクと安全性

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隣町川越市では、タイムスリップしたような街並みで、今日も懐かしくておいしいものを楽しむことができます。みなさん、おいしいもの食べていますか?

前回のブログで、インプラントと安全性についてお話ししました。今回はインプラントにおいて考えられるリスクとトラブルについて掘り下げてみたいと思います。

1.手術に関連したリスク

(1)動脈の損傷による大量出血

最も大きな事故につながりやすい症例です。これは、手術時に動脈を損傷してしまうことで起こります。心臓から頭に血液を運ぶために、喉やお口回りには、重要な血管がいくつもあります。

特に、動脈を損傷してしまうと、そこから多量の出血が起こります。出血した血液が原因で呼吸ができなくなる可能性があり、命にかかわる危険があります。

動脈を損傷した場合は、基本的には圧迫して血を止めることが先決です。圧迫をしても、止められない場合は、損傷個所を縫い合わせたり電気メスを使用したりして止血をします。血が止まれば、傷と同じように自然治癒で治すことができます。

また、動脈の走り方、深さや位置などはCT検査で確認することができます。事前に確認をしたうえで、インプラントの埋入位置や角度を調整することができる点では安心できますね。

(2)神経損傷が原因の麻痺やしびれ

手術の際に神経を損傷するとしびれや麻痺が残り生活に支障をきたす場合もあります。

骨にドリルで穴を開けるときに、神経を傷つけてしまうこともありますし、インプラントの埋め込み位置が悪く、神経を損傷したり圧迫したりしてしまうこともあります。特に下のあごの骨にある神経は、奥歯に行くほど歯と神経の距離が近くなっています。そのため、下の歯の臼歯にインプラントを埋めるときに神経を損傷する頻度が高いと言われています。

神経損傷の程度によりますが、症状を改善するための修復治療が必要になることもあります。また、症状が改善されずインプラントを除去しても、後遺症が残ってしまうこともあります。

神経も動脈と同様に、CT検査などを行うことによって事前に正確な位置を知ることができます。

CT検査とは、レントゲンやお口の中の写真のような2次元の画像ではなく、立体的に状況を確認できる検査のことです。正確な位置を知ったうえで、手術を行うのはリスクを下げるためにとても重要です。インプラント治療を実施する上で、歯医者さん任せにせずに治療計画をしっかりと聞き、わからない部分や不安な点はどんどん尋ねましょう。

(3)インプラント手術時の細菌感染による炎症

インプラント手術が原因で細菌が内部に入り込み、そこから炎症が起こってしまうことがあります。上あごの奥で炎症が起きてしまうと、歯や歯茎だけの痛みだけではなく、鼻が詰まってしまうことや、鼻から膿がでてきてしまうこともあります。

炎症が起こってしまった場合、薬によって炎症を抑えますが、程度がひどい場合はインプラントの除去が必要になることもあります。

手術中の滅菌管理は、歯科医院にとって最重要事項の一つです。手術室があることや、器具の滅菌処理を行っていることなどは、それぞれの医院のホームページでも確認することができます。

2.治療後のトラブル

(1)インプラント周囲炎

インプラントの歯周病と呼ばれるインプラントまわりの炎症です。インプラントは人工物のため、免疫力や抵抗力は自然の歯より劣ります。そのため、磨き残しや汚れを放置してしまうと、インプラント周囲炎にかかってしまうのです。また、神経もなく痛みが感じにくいため、気が付くのが遅くなってしまい炎症が悪化してしまうことも多々あります。

インプラント周囲炎も歯周病と同様に、悪化すると骨を溶かしてしまいます。定期的な歯医者さんでのメンテナンスが必須と言われるのは、こういったリスクをできるだけ避けるためなのです。

(2)歯冠の破損・破裂

噛む力が強すぎたり、歯ぎしりの癖があったりするとインプラントの被せ物が破損したり割れたりすることがあります。また同じ原因から、インプラントと被せ物をつないでいるアバットメントという装置が緩んでしまうこともあります。

早めに適切な処置を行わなければ、インプラント体の破損などさらに大きなトラブルにつながります。被せ物に異常が見られた場合は、一度外して、修理するか新しく作り直す必要があります。

(3)インプラント体のぐらつき・脱落

インプラントがぐらついてしまう理由は、大きく分けて手術中の固定ができなかった場合と、インプラント周囲炎など術後のトラブルによるものがあります。インプラントに必要な骨の量を確保しないままであったり、不適切な位置で手術をしてしまうことで、ぐらついたり抜けてしまうことがあるのです。

また、破損してしまったインプラントの被せ物をそのまま放置することや、メンテナンスを怠ることも大きな要因の一つです。破損部分が他の歯や歯茎、骨を傷つけてしまうこともありますし、たまりやすくなった汚れからインプラント周囲炎が悪化を引き起こすこともあります。そのために定期的に歯医者さんへメンテナンスに行くことが必須なのです。状態が悪いまま処置をすることで、インプラントへの負担が大きくなり、徐々にぐらつきや脱落に至ってしまうこともあります。

以上のことをまとめると、ぐらつきや・脱落はインプラントの素材であるチタンと骨がしっかりと結合しないときに起こるのです。原因は前述したものも含め、以下のようなものがあげられます。

インプラント体のぐらつき・脱落の原因

・インプラントを埋め込む角度や位置が不適切
・ドリルの摩擦熱によって骨が損傷を受けた
・外から強い力が加わった
・喫煙によって血流が悪くなった
・インプラントや周囲組織が細菌に感染した

インプラントの安定・安全性は、手術をする歯科医の知識や技術によるところが多いのですが、患者さん自身の意識もとても大切です。

信頼できる歯医者さんを選ぶことから始まり、きちんと相談すること、疑問を残さないこと、勧められるまま全てを承諾するのではなく、きちんと考え判断することなどは、自分の身を守ることにつながります。

3.リスクを理解した上での選択

心臓の機能が落ちたら、検査をして必要ならば手術をします。骨が折れたら、ギブスをして丈夫な骨に治るように治療をします。体の一部は悪くなったり、不自由になったりしてしまったら、その部分が正常に戻るように病院に受診し改善をするのはごく普通の考え方です。

しかし、インプラントはまだまだ安全性やリスクが話題に上がります。本当に大丈夫なのか、メリットとデメリットにはどんな部分があるか、気になる方も多いと思います。リスクや安全性がまだまだ話題に上がるのは、技術も値段も歯科医によって大きく差があるものだからではないでしょうか。

リスクを正しく理解することは、それを避けるための必要最低条件です。インプラントを検討するときな、メリットだけではなく、リスクやデメリットをよく知っている歯科医院を選択していただきたいと思います。

スクを知っているからこそ、どうすれば安全に治療を進めていくことができるのかを深く知ることができます。安全性に十分考慮した治療法、検査法、事前準備など、様々な対処ができるのです。

今現在、インプラントは医療保険の対象外として決して安くない価格で、提供をされている技術です。しかし、失ってしまった歯を回復する技術としてしっかりと確立されたものでもあります。前回のブログで詳しくご説明しましたが、噛む力、付け外しなどのわずらわしさ、他の歯への影響力、耐久性などを考えたとき、インプラントは入れ歯やブリッジと比べ物にならないほどのメリットがあります。

リスクを知って、インプラントを選ばないことも決断の一つです。

他の外科手術と同様に失敗のリスクは0ではありませんが、インプラントにすることによって何万人もの人が噛める喜びを味わっていることも事実です。

少しでも興味があれば、私たちプラザ若葉歯科へご相談ください。

私たちプラザ若葉歯科は、埼玉県のほぼ中央に位置しており時の鐘で有名な川越市の隣、鶴ヶ島市にあります。最寄りの東武東上線若葉駅から、徒歩2分です。

私たちプラザ若葉歯科は、みなさまの歯やお口回りの不安を少しでも解消するお手伝いがきます。

プラザ若葉歯科、今日も元気に診療中です。

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