インプラントの構造とお口の健康

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今日は気になるインプラントの構造のお話。

何事も基礎が大切とはよく言います。高いビルも、数学の勉強も基礎がしっかりしていなければ、その後に積み重なるものは定着していきません。

インプラントも同じです。歯を支える土台や基礎となるものの役割は非常に大切です。
インプラントとはなにか、そのものを分解してご説明しましょう。

 

1.インプラントの3つの部品

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インプラントは3つの部品からできています。

・インプラント(またはインプラント体)
・アパットメント(支台部)
・上部構造(人工歯)

2.大切な土台-インプラント(またはインプラント体)

直接、歯茎に穴を開け、歯茎内の骨(歯槽骨)の中に埋められる歯根の役目を果たす部分です。人工歯根やフィクスチャーとも呼ばれています。インプラント全体と区別するために、ここではフィクスチャーといいます。素材は骨と結合するチタンかチタン合金で作られ、円錐または円柱でネジのような形をしています。

長さは9~19ミリ、太さは3.5~50ミリです。フィクスチャーを埋め込む、顎の状態を見てサイズの選択をします。

このフィクスチャーは、歯を支える土台となるため、とても大切です。これが安定しないと、インプラント全体が安定しません。

3.大切な接続部-アパットメント

フィクスチャーの上に取り付けられるものです。フィクスチャーと被せ物(上部構造)をつなぎ、支える重要な部分となっています。素材はインプラントと同じ、チタンかチタン合金製のものが一般的です。審美的に優れたセラミック製のものなども選択することができます。

アバットメントは通常、フィクスチャーと骨が結合するまで3カ月~6カ月まで待ち、結合してから使用します。このアバットメントは、フィクスチャーと人工の被せ物(上部構造)を連結させる大切な役割があります。しかし、それだけではありません。

まずこのアバットメント、歯の表面となる被せ物(上部構造)から伝わる衝撃を受け止めるクッションとしての機能を果たします。フィクスチャーと被せ物に100%の力で衝撃が伝わるのを防いでくれます。そのため、被せ物が簡単に割れるのを守り、保護する役目もあります。

また、アバットメントの装着する角度を微調整することできるので、実際の歯の角度を補正し、歯の咬みあわせのバランスを保つためになくてはならないものとなっています。咬み合わせにおいても非常に重要な存在です。

素材はインプラントと同じ、チタンかチタン合金製のものが一般的ですが、透明感の高い被せ物を選ぶとき、アバットメントの金属色が透けて見えてしまうことがあります。審美的に優れたセラミック製のものなども選択することができます。

4.大切な歯冠部-クラウン

外から見える歯のことです。見た目に大きな影響を与え、歯を噛み砕くためになくてはならないものですね。
素材としてはセラミックやジルコニアなどです。種類としては内側に金属の裏打ちのあるメタルボンドと、セラミックだけでできているオールセラミックスなどがあります。一般的に、見た目が良く丈夫で自然の歯に近いものほど値段が高くなっています。

また、上部構造の種類によって、特徴が違います。

銀合金

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金属製の被せ物は、世間でいう銀歯と同じ外見です。金属のため、割れてしまうリスクが少なく長持ちします。また、他の物よりリーズナブルです。
審美性を求める方には、適していません。また、金属アレルギーを引き起こすことがあります。

オールセラミック

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セラミックは時間がたっても色がくすむことはありません。そのため、歯科領域では多く使われる素材となっています。オールセラミックは、全てがセラミック素材で作られている被せ物です。透明感があり、自然な光も通します。
歯肉とのなじみもよく、周辺の歯肉の健康を保つ面でも優れています。
金属が入っているものよりも、丈夫さが劣るため、稀に割れてしまうことがあります。歯ぎしりをしている人やかみ合わせのバランスが極端な人は、利用することができません。

メタルボンド

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金属のフレームにセラミックを焼き付けたものです。耐久性に優れ、インプラントだけではなく、通常の被せ物やブリッジの治療にも使われることが多いです。

しかし、金属部分があるため、透明感や色調はやや劣ります。
長く使用する場合、歯茎がやせて金属部分が見えたり、金属イオンが発生し歯茎が黒ずむこともあります。

ナチュラルセラミック

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オールセラミック同様、全てセラミック素材でできています。オールセラミックは1回の調整で終わりますが、ナチュラルセラミックは色の調整を2回以上行い、より透明度の高い自然な歯に近い色味を出すことができます。透明感がとても高く、光も通すのでお勧めです。
強度はセラミックなので、メタルボンドほど強くはありません。歯の噛む力が強いと割れてしまう恐れがあります。

5.インプラントでお口の健康を保つ

人が住んでいない家は、劣化が早いとはよく言いますが、歯も同じです。空気がよどむとカビも生えやすくなってしまいます。給排水管や、ガス管も動きがないと汚れや異物がたまってしまい、使えなくなってしまいます。

家は人が住むことで、風が入り空気が動き、床が踏まれます。空気が動くことで壁や天井も洗われ、床が踏まれることで土台がさらに強固に固まっていきます。

住んでいない家の劣化が進まない様にするためには、人に住んでもらえばよいのです。

インプラント手術は、まさに空き家に人が住んでもらうようなことです。
歯を失った部分は何もしないと、歯茎も骨も使われないためどんどん細くなり弱ってしまいます。失った部分だけではなく、周りも影響され、歯の骨の丈夫さや歯肉の張りが衰えてしまうのです。

インプラントを入れることで、急速な衰えを止めることができます。歯の根っこがあごの骨と連結し、噛むことで骨も歯茎も活性化します。血液も使うところに流れていきます。インプラントには血液は流れていませんが、周りの骨や歯茎には血液が流れています。血液が流れると免疫力も上がります。インプラント技術は、今のお口回りの機能を健康な状態で保つことができる優れたものなのです。
歯も歯茎もあごの骨も使われることで、健康が保つことができます。

家は見た目だけではなく、基礎が重要であることは皆様もご存知だと思います。 今日ご紹介したように、インプラントには、それぞれの役割を持った部品があり、患者さんに合わせた組み合わせを調整することで、初めて満足のいく機能を発揮します。クラウンとなる部分の選択も大切ですが、それを支えるアバットメント、フィクスチャーという縁の下の力持ちがいることも忘れないでくださいね。

私たちプラザ若葉歯科は、噛める喜びを多くの方に取り戻していただきたいと願っています。
住む家や家族、体、食生活、自分を取り巻くものは全て大切です。
みなさんが大切にしたいものをお口の健康から支えたいと思っています。
そのために、歯の勉強は欠かしません!

皆様のお口の健康を支える、鶴ヶ島のプラザ若葉歯科です。おかげさまで坂戸や川越からも多くの患者さんにご相談や治療にお越しいただいています。
どんなことでもご相談ください。お待ちしております。

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